ジュエリー制作の報告(センスとアイディア)

一般的に見て、アイディアとセンスというものは、対極に位置するものであると考えられる。カール・ユングという心理学者がいるが、彼の図表では、心理面における直観機能と感覚機能は、双方が反対側に位置している。直観機能とはアイディアを模索するものであり、感覚機能とはセンスを磨くものである。しかし、彼の説によると、内的努力によりそれらのばらばらなものを統合することができる、とある。私も言うのもなんだが、このヴィジョンを目指して作品制作にあたっている。具体的には、まずエスキースでアイディアを発揮する。その次にそのエスキースにセンスを感じさせる細工を施す。この繰り返しで一つのエスキースが出来上がる。そして、この反復を原型作りにおいても活用する。つまり、私のジュエリーはセンスとアイディアの融合体なのである。